うがじ流・人生の処方箋 ~「自信がない」と思う時にこそ~
こんにちは。さくら通り整形外科クリニック院長の宇賀治修平です。
「自信がないからできません」
そんな声をよく聞きます。
でも実は、自信というのは“もともとあるもの”ではなく、“行動のあとに湧いてくるもの”なんです。
「自分との小さな約束を守って、それを積み重ねていく」
その過程で、じわじわと湧いてくるのが“自信”です。
だから、自信とは事実ではなく、「自分の解釈」だとも言えます。
つまり、「自分は自信がない」と感じているのは、“自分がそう思っている”だけなのかもしれません。
では、「自信がない」と思うときって、どんなときでしょうか。
少し厳しいかもしれませんが、
もしかするとそれは、「やらないこと」によって得られるメリットが、どこかにあるのではないかと思うのです。
たとえば――
・失敗しないで済む
・恥をかかなくて済む
・傷つかなくて済む
つまり、「自信がない」という言葉の裏には、“やらない理由”を自分で作って安心している気持ちがあるのかもしれません。
そんなときは、自分の心にこう問いかけてみてください。
「本当に“自信がないから”やらないのか? それとも、“やらない理由”にしているだけなのか?」
その問いかけが、意外にも行動する勇気の種になるかもしれません。
そして一歩踏み出してみたとき、不思議と自信は後からついてきます。
【なぜ野球で足首の捻挫が多いのか?】
診察室では、「塁に出た時に足をグキッと…」という話をよく耳にします。 特に中高生の部活動や草野球をされている方から、足首の捻挫での受診が後を絶ちません。 素早い動きや不安定なグラウンド状況など、野球ならではの動きが足首に負担をかけているのです。
今回は、野球で実際に起きた捻挫のエピソードを交えながら、「なぜ野球で捻挫が起きやすいのか」「どう予防・対処すべきか」についてわかりやすく解説します。
ベースを踏んだ瞬間「ズルッと滑って」
「1塁ベースを駆け抜けたとき、ちょっと湿った地面でズルッと滑って…そのまま足首をひねりました」
野球のグラウンドは、特に雨上がりなどで滑りやすくなることがあります。
また、ベースは固く、角度があるため、うまく踏み外すとそのまま捻挫につながります。
スライディングの着地で「足首を持っていかれた」
「盗塁の時にスライディングしたら、足が変な方向に曲がってしまって…」
スライディングは野球の華とも言えますが、着地姿勢やタイミングを少し間違えると、足首に大きな負荷がかかってしまいます。
特にベース手前の凹凸や摩擦も関係し、思わぬ角度で関節がねじれることがあるのです。
「慣れたプレー」で油断した
「フライを捕ろうと後ろ向きで走った時に、つまずいてグキッと…普段なら何ともない場面だったんです」
野球では「慣れた動作の中の油断」が事故を招くことも。
試合中の集中力の低下や疲労によって、足元への意識が薄れた瞬間にケガが起こりやすくなります。
「テーピングをしてなかったことを後悔」
「最近ケガがなかったので、テーピングしなかったんですよね…」
一度捻挫をした方は、再発しやすいのが足首の特徴。
そのままケアを怠ってプレーに戻ってしまうと、再び同じ部位を痛めてしまうことがあります。
【リハビリ】グラウンドに戻るための回復ステップ
「早くチームに戻りたい」「試合に間に合わせたい」――そんな気持ち、とてもよくわかります。
でも、焦って復帰してしまって、また同じ場所を痛めてしまった…という方も少なくありません。
野球はダッシュ、急停止、方向転換など、足首にとっては過酷なスポーツ。“痛くないから大丈夫”ではなく、“踏ん張れる足首”に戻すことが大切なんです。
ここからは、あなたがもう一度安心してグラウンドに立てるように、リハビリのステップを順を追ってご紹介します。
炎症期(受傷直後〜3日)
まずは、腫れと痛みをしっかり抑えることが最優先。足首が熱を持っていたり、ジンジンしているうちは無理は禁物です。
- 氷でしっかり冷やして
- 足をなるべく動かさずに
- 心臓より高い位置に足をあげて休む
- 包帯やサポーターで軽く圧迫
「動けるから大丈夫」と無理して動くと、かえって回復が遅れます。焦らずしっかり休みましょう。
修復期(3日〜2週間)
痛みや腫れが少し落ち着いてきたら、いよいよ「動かす練習」のスタート。ただし、いきなり全力プレーは絶対NGです!
- 足首回しやタオルギャザーなど、やさしい運動から
- 平坦な道を10分ほど歩いてみる
- 軽くキャッチボールで体をほぐすところから
「ちょっと物足りないかな?」くらいがちょうどいいんです。この時期は、“痛みがぶり返さない範囲で動かす”ことが大事です。
回復期(2〜4週間)
ここからは、本格的に“野球の動き”に近づけていく段階。足首に「強さ・しなやかさ・安定感」を取り戻すトレーニングをしていきます。
- 段差でのカーフレイズ(つま先立ち)
- 片脚立ち(目を閉じて10秒キープ)でバランス力チェック
- サイドステップや軽いダッシュ
- 守備の動きを少しずつ練習に取り入れる
この時期に「調子がいいから」と急に負荷を上げてしまうと、再発リスクがぐっと高まります。慎重にいきましょう。
復帰の判断基準
以下の動きが「痛みや不安なく」できれば、練習復帰のサインです。
- スパイクで10分間のランニングが可能
- ベースランニングに不安がない
- 片足でジャンプ→着地ができる
- 守備練習での方向転換もスムーズ
「不安があるけどなんとなく復帰」は避けて、安心してプレーできる状態まで仕上げましょう。
【再発予防】野球に必要な「3つの備え」
足首の捻挫は、一度やってしまうと繰り返しやすいケガ。だからこそ、「もう同じ思いをしないために」備えておきたい3つのポイントがあります。
足首を守る“道具の力”を味方に
- スパイクのサイズはぴったり合っていますか?
- 人工芝・土など、グラウンドの種類でスパイクを使い分けましょう
- 不安があるなら、テーピングやサポーターの併用もおすすめ
- インソールの見直しも、足首のブレを減らす一手です
道具を変えるだけで、足首の負担がグッと減ることもありますよ。
「プレー中の判断力」も立派な技術
- スライディングは勢いだけでなく、姿勢と角度を意識
- 守備の後ろ下がりは、足元の踏ん張り感覚も大切
- 「疲れてきたな」と思ったら、一度止まって深呼吸
- 「いつものプレー」にこそ注意を
ケガを防ぐ意識も、上達の一部です。
足首を“育てて守る”トレーニング
- 段差カーフレイズ(つま先立ち)でふくらはぎを強化
- 片脚立ちやバランスボードで安定感アップ
- 足首まわし、タオルギャザーで柔らかさキープ
- 階段や坂道の上り下りで実戦に近い動きの練習
「足首を育てる」意識をもって、コツコツ続けましょう。
最後に|「また全力でプレーする日」のために
「ケガをしてしまった自分が悔しい」――そんなふうに感じる人も多いと思います。
でも、あの時ケガをしたからこそ気づけたこと、学べたことも、きっとあるはずです。
焦らなくて大丈夫。一歩ずつ回復していけば、必ずまたグラウンドに立てます。
私たちも、あなたがまた全力でプレーできる日を、全力で応援しています。