痛くない捻挫ほど、判断を誤る理由

こんにちは、さくら通り整形外科クリニックの宇賀治 修平です。
今回は、足首捻挫でとても多い「判断のずれ」についてお話しします。
今日のテーマは一つだけ。
痛みの強さ=重症度ではありません。
このズレがあると、捻挫は「治ったつもり」で進んでしまい、
結果的に回復が遠回りになったり、同じ足首を繰り返し捻ることにつながります。
そして少し意地悪なのが、判断を誤りやすいのは重症っぽい捻挫よりも、
むしろ軽そうに見える(痛みが少ない)捻挫だという点です。
「痛くないから大丈夫」と思ってしまう瞬間
捻挫直後に、こんな状態だと…
多くの方がこう思います。
「軽い捻挫だったんだ」
この判断自体が悪いわけではありません。
ただ、足首捻挫では「痛みが軽いほど判断を誤りやすい」という特徴があるため、
少しだけ注意してほしいのです。
痛みは「損傷の大きさ」を正確には教えてくれない
足首捻挫で主に傷つくのは靱帯です。
靱帯は骨や筋肉と違い、痛みの出方が少しあいまいです。
つまり、
「あまり痛くない」=「靱帯が無事」ではないということです。
痛みは「いまの炎症」や「刺激」で変動します。
だから痛みだけで判断してしまうと、捻挫の本質(靱帯・関節の安定性)を見落としやすくなります。
痛みが軽いほど、使い続けてしまう
痛みが強いと、人は自然にかばいます。
歩かない、走らない、無理をしない。これは体が守ってくれます。
一方で、痛みが軽いと判断はこうなりがちです。
ここが足首捻挫の難しいところです。
捻挫の初期は、靱帯が「修復を始める初動」の時期です。
そのタイミングで使い続ける判断が重なると、
靱帯は正しい長さ・正しい位置で治りにくくなります。
結果として、足首は「治った」ではなく、ゆるんだ状態で固まりやすい方向へ進んでしまいます。

靱帯修復の初動を逃すと、回復は遠回りになりやすい
靱帯は、一度伸びたり傷ついたりすると、
「時間が経てば元どおり」になりにくい組織です。
初期に判断がずれると、次のような“治り方のズレ”が起きやすくなります。
ここまでくると、必要なのは「痛みをなだめる」だけではなく、
足首の“制御”を取り戻す(整える)という視点になります。
「痛みが引いた」は、完了のサインとは限らない
捻挫でよくある誤解が、
痛みがなくなった=完治です。
実際には、痛みが引いても次が残っていることがあります。
「痛みは少ないのに、なんとなく不安」
「左右で感覚が違う」
そんなときは、気のせいではなく、足首が「まだ調整途中」と教えてくれていることがあります。
Q&A:よくある疑問(迷いやすいポイントを整理します)

Q1. 歩けるなら、受診しなくても大丈夫でしょうか?

ただ、足首は下り坂・段差・片脚で踏ん張る場面で負担が出やすいため、
もし不安を感じる動きがあれば、一度状態を確認しておくと安心材料になります。

Q2. 痛みがほとんどないのに、治療は必要ですか?

一方で、足首では靱帯の状態や、動きの安定感も大切な判断材料になります。
「痛みはないけれど、なんとなく不安」という場合は、確認しておくと今後につながります。


ただ、足首では痛みが引いたあとに調整が必要なケースもあります。
違和感や左右差が残る場合は、無理せず様子を見直してみてください。

Q4. サポーターをしていれば問題ありませんか?

ただ、ずっと頼り続けるよりも、少しずつ自分の足首で支えられる状態を目指すことが大切です。
外すタイミングを考えることで、より安心して日常生活を送れます。

Q5. 一度捻挫した足首は、もう繰り返しやすいですか?

大切なのは、痛みが引いたあとに「どう整えるか」です。
そこを丁寧に行うことで、再発は十分防げます。

Q6. 忙しくて通院できない場合はどうすればいいですか?

そんなときこそ、今の状態を一度確認しておくだけでも安心材料になります。
必要なこと・今はしなくていいことを整理するための受診、という考え方もあります。
自己チェック:いまの足首は「使える状態」?
ここは“テスト”ではありません。
判断の材料を増やすためのチェックです。
できる範囲で大丈夫。無理はしないでください。

まとめ:痛みより「判断」が、その後を決める
今回の伝えたい核は一つだけです。
痛みが軽いほど、日常を続けやすく、初動(修復のスタート)を逃しやすくなります。
だからこそ、痛みだけで判断しないことが大切です。
ここからが大事:読んだあとに「残してほしい行動」
このページを読んで、気持ちが少し落ち着くのは良いことです。
ただ、足首捻挫は落ち着いたあとに判断が甘くなりやすいので、最後にお願いがあります。
今日のうちに、次のどれか1つだけやってください。
少しだけ厳しそうに見えるかもしれませんが、これは怖がらせるためではありません。
遠回りを避けるための、やさしいブレーキです。
足首は、丁寧に整えればちゃんと応えてくれます。



